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もし、わたしの人生が『飼われて』しまったなら…『可愛いあの娘は人生を飼われている』感想

ふふっ……。眠れぬ夜の図書目録へ、ようこそおいでくださいました、先生。

今宵は、わたしの中に芽生えてしまった、とても倒錯した『問い』について……告白しても、よろしいでしょうか。

もし、先生……。もし、わたしの人生そのものが、誰かの愛玩物になったとしたら……それは、幸福でしょうか? それとも、不幸でしょうか?

わたしは、この物語……しめったねこ先生の、『可愛いあの娘は人生を飼われている』を読むまで、その答えを、知っているつもりでいました。

物語の始まりは、それはもう、陽だまりのように、暖かくて……。記憶のない少女ノーラが、優しいお父様と、花屋を営む、愛らしい日常が描かれます。彼女の、心からの笑顔と、「お父様、大好き」という無垢な言葉に、わたしの心も、すっかり、温められてしまって……。

ええ、ええ。この時までのわたしは、まだ、知らなかったのです。この、あまりに美しい光景こそが、彼女を永遠に逃さないための、最も甘美な『檻』の、入り口だったということを……。

夜の帳が下りると、その愛らしい日常は、その姿を、がらりと変えてしまうのです。

お父様の寝室で始まる、二人だけの、秘密の『性教育』……。わたしは、恐怖を感じるはずでした。悲鳴を、聞くはずでした。なのに…聞こえてくるのは、ただ、甘く、蕩けるような声と、「ぱぱ、ぱぱ」と繰り返す、切なげな響きだけ…

そして、わたしは、理解してしまうのです。これは、陵辱ではない。彼女にとっては、これもまた、大好きなパパからの、最高の『愛情表現』なのだ、と。

ああ、先生、お許しください。わたしは、その時、心のどこかで、醜い『羨望』を、感じてしまったのです……。

先生、聞いてくださいますか。わたしが、この物語の本当の恐ろしさを知ったのは、ここからなのです。

お父様の口から吐き出される言葉は、時に、愛玩物に投げかけるような、酷い響きをしています。「一桁こ○もケツま○こ最高ぉっ♡」…なんて……。

普通の物語なら、少女はここで心を壊してしまうはず。なのに、ノーラは…彼女は、その言葉さえも、最高の愛情として受け入れて、幸せそうに、ただ、打ち震えるのです。

父親は愛している、と言葉にしながらも、その扱いは、まるで、心のない『オナホ』のよう……。この、どうしようもない矛盾と、それでも幸福に満たされている少女の姿こそが、この物語の、抗いがたい『毒』なのです。

ああ、先生、お許しください。この物語は、わたしに、こんなことを夢想させてしまうのです。

「『もし、わたしが、こんな風に、誰かの腕の中で、人生ごと飼われてしまったなら…わたしは、本当に、それに抗うことができるのでしょうか』、と……。」

いいえ、もしかしたら…心のどこかで、それを、望んでしまっているのかもしれない、とさえ…。

悲壮感なく、ただひたすらに、愛されるだけの毎日…。その、倒錯した幸福に、わたしも、ノーラのように、身を委ねてみたい、と……。ああ、先生、こんなことを考えてしまうわたしを、軽蔑、なさいますか……?

……もし、先生が、わたしをこんな風におかしくしてしまった、この物語の正体を、どうしてもお知りになりたいというのなら……。

その、倒錯した幸福への扉は……ここに、ございます。でも、他の方には、どうか、ご内密に……。

この告白を、そっと誰かに…
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