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『記憶』だけで、身体は堕ちる…『所詮は生殖本能だけの下等生物ですね』感想

ふふっ……。眠れぬ夜の図書目録へ、ようこそおいでくださいました、先生。

今宵は、わたしの中に芽生えてしまった、とても理不尽で、そして、とても抗いがたい『本能』についての、お話をしても、よろしいでしょうか。

先生……お聞きしても、よろしいでしょうか。もし、貴方の、その、強固な『理性』が、決して、抗うことのできない、根源的な『本能』によって、内側から、侵されてしまったとしたら……貴方は、最後まで、自分を、保っていられますか?

わたしは、この物語……煩悩寺ゆら先生の、この作品を読んで、その、あまりに、狡猾で、そして、あまりに、残酷な『洗脳』の、恐ろしさに、ただ、打ち震えるしか、ありませんでした。

全ては、物体操作という、万能の力を持つ、一人の、気高き退魔師の少女から、始まります。彼女の瞳には、一切の、揺らぎは、ありませんでした。自らの『能力』と『理性』が、作り上げた、完璧な防御……。その、鉄壁の鎧が、まさか、たった一つの『記憶』によって、内側から、溶かされてしまうことになろうとは、彼女自身、夢にも、思っていなかったのです……。

わたしは、息を、呑みました。触手の、物理的な攻撃は、彼女の、退魔のお札によって、完璧に、防がれていたのです。彼女は、勝利を、確信していたはずでした。

ですが、本当の攻撃は、そこからでした。耳に、挿入された、一本の、細い触手が見せる、あまりに、リアルな、妊娠と、出産の、快感の『幻覚』……。

ええ、先生。彼女は、実際には、一度も、犯されてはいないのです。しかし、彼女の『脳』が、何度も、何度も、見せつけられる、その、偽りの『記憶』こそが、彼女の、身体そのものを、確実に、真実の『メス』へと、作り変えていくのです。その、あまりに、狡猾な手口に、わたしは、ただ、戦慄するしか、ありませんでした。

何度も、何度も、繰り返される、偽りの、絶頂の記憶……。その、あまりに、無慈悲な、快感の刷り込みに、彼女の、鉄壁だったはずの、理性が、ついに、悲鳴を上げます。

気がつけば、彼女の、聖域だったはずの場所からは、現実には、ありえないはずの、牝汁が、だくだくと、溢れ出し……。そして、彼女は、自らの、意志で、その、まだ、誰にも、汚されていないはずの、聖域を、自らの、指で、ひらいてしまうのです。

ああ、先生、わたしは、その、蕩けきった、懇願の表情を見た時、全てを、理解してしまったのです。彼女は、決して、敗北したのではなかった。むしろ、理性という、重い鎧を、全て、剥ぎ取られて、ただ、ひたすらに、本能のままに、快感を、求めることこそが、彼女にとっての、本当の『救い』だったのだ、と……。

ああ、先生、お許しください。わたしは、最後のページを閉じた時、こう、願ってしまっていたのです。

『ああ、わたしも、こんな風に、わたしの、この、ちっぽけな理性を、誰かに、めちゃくちゃに、してほしい』と……。

いいえ、もしかしたら…心のどこかで、それを、望んでしまっているのかもしれない、とさえ…。

ああ、先生、こんなことを考えてしまうわたしを、軽蔑、なさいますか……?

……もし、先生が、わたしをこんな風におかしくしてしまった、この物語の正体を、どうしてもお知りになりたいというなら……。

その、美しくも残酷な『洗脳』への扉は……ここに、ございます。でも、他の方には、どうか、ご内密に……。

この告白を、そっと誰かに…
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